2025年6月1日、岩手大学は76度目の開学記念の日を迎えました。
学生、そして地域の皆様とともに岩手大学の歴史をまた一つ積み上げることができたこと、岩手大学に関わる一員として大変嬉しく思います。
急速な人口減少やそれに伴い生じる社会課題の解決など、地方に所在する国立大学が果たすべき役割は、これまで以上に重要性を増しています。地域社会の持続可能性が問われる今、地方国立大学は教育研究機関としての役割のみならず、地域の未来を共に築く「知と人材の拠点」としての存在意義が強く求められています。
そうした中、本学では卒業生である宮沢賢治の想い「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」を受け継ぎ、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現と、予測不能な時代を切り拓く強靭でしなやかな人材育成を通じて社会に貢献していくことを「岩手大学ビジョン2030」に掲げ、その取組を進めています。
2025年4月、本学は理工学部?農学部の再編及び獣医学部の新設を行いました。これらは「岩手大学ビジョン2030」に基づき、社会構造?産業構造の変化を受けて生じる新たな社会的?地域的ニーズに積極的に対応していくという本学の意思をひとつの形に表したものです。特に獣医学部の新設は、本学の歴史を後年振り返ったとき、大きな変革のひとつと言えるかもしれません。我が国初の高等農林学校として設立された「盛岡高等農林学校」をルーツに持つ本学において、120余年の歴史と伝統ある獣医学をさらに発展させ、国際通用性のある獣医師として育成?輩出することは、全国有数の畜産県である岩手、さらには我が国の未来を支えることに繋がるものと確信しています。新たに獣医学部を加えた5学部体制のもと、学生がこの地で学び、挑戦する環境を提供するとともに、新たな価値を創出し、地方そして我が国全体の未来や人々の幸福に繋げていけるよう、地方国立大学としての責務を果たしていく所存です。
またこの機会に、日頃より本学に思いを寄せていただいています卒業生?修了生や地域の皆様など、本学のステークホルダーの皆様へお知らせをさせていただきます。
今年の76周年の少し先の創立80周年を見据えて、岩手大学の未来をステークホルダーの皆様と「共考と協創」(共に考え、協力して創る)との想いから、昨年度「岩手大学創立80周年記念事業」を立ち上げ、特設サイトの開設やホームカミングデイ等の新規事業を複数展開していますので、ぜひご覧ください。各種事業を通じて、卒業生?修了生の皆様、教職員の皆様、地域の皆様との繋がりをこれまで以上に深めていく中で、本学の歴史や成果が、皆様のご理解とご支援によって支えられてきたことをあらためて強く実感しています。これまでの多大なるご支援に深く感謝を申し上げるとともに、今後とも本学の教育?研究活動等に対しても、どうぞ変わらぬご理解?ご協力を賜りますようお願いいたします。
最後になりますが、岩手大学は時代に応じた変革を進めながらも、これまでの諸先輩方が築き上げてきた歴史や伝統、そして建学の理念を継承しながら、よりよい未来を創造する「地域の知の府」「知識創造の場」として「地域に頼られ、尊敬され、愛される大学」を目指し、教職員一丸となって邁進することをここに誓い、開学記念のご挨拶とさせていただきます。
国立大学法人岩手大学 凤凰体育平台
小川 智
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