2025年7月19日~7月22日に開催されたThe 11th EAFES International Congress (第11回東アジア国際生態学会)において、連合農学研究科生物生産科学専攻生物生態制御学連合講座 1年の廣田渓琉さん(指導教員:管原亮平助教)がPoster Award(優秀賞)を受賞しました。
Environmental Factors Influencing Green-Brown Polymorphism in the Migratory Locust (Locusta migratoria)
トノサマバッタにおける緑茶多型に関与する環境要因
連合農学研究科生物生産科学専攻生物生態制御学連合講座 1年
廣田渓琉さん
?トノサマバッタは環境に応じて、相変異、緑茶多型、ホモクロミー多型という三つの体色多型を示す。緑茶多型は昆虫において広くみられる体色多型の一つであり、個体ごとに体色が緑色型と茶色型の2つに分かれることが特徴である。これまで、本種およびサバクトビバッタにおける緑茶多型は、高湿度環境によって緑色が誘導されるとされてきた。しかし、サバクトビバッタを用いた近年の実験では、視覚情報が最も重要な要因であり、湿度は緑茶多型にほとんど影響を与えないと報告されている。
?本研究では、単独飼育したトノサマバッタ幼虫の緑茶多型において、湿度および視覚情報が及ぼす影響を検証した。その結果、トノサマバッタでは少なくとも(1)湿度、および(2)摂食中に得られる視覚情報、の両者が複雑に影響していることが確認された。
?これらの要因に基づく調節機構は、本種にとって生態学的に重要であり、環境の季節的?空間的変動に対して隠蔽的(カモフラージュ的)に作用することで、天敵からの捕食回避に役立ち、生存率を高める可能性がある。
?これらの研究内容については、「Archives of Insect Biochemistry and Physiology: Volume 118, Issue 2 February 2025」に掲載されています(オープンアクセス)。
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